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万年平社員の独身ぼっちでも楽して楽しく。

まだアラサーのソロ男だけど「60歳からの人生の愉しみ方」を読んで老後に備えてみる

老後に備えるべく「60歳からの人生の愉しみ方」を読んでみました。僕はまだアラサーで、しかもソロ男ですが、参考にできるところがあるといいな。というわけで、内容と感想をまとめます。

本について

60歳からの人生の愉しみ方(著:山﨑 武也)

内容

本書は「会社や家族のためにバリバリ働いていた人」が、60歳という新たなライフステージを迎えるにあたって、心がけると良いことを紹介しています。

章立てこそあるものの、4ページ分のコラムがひたすら集まっている印象で、どこからでもつまみ読みできます。

図表データは出現しません。ひたすら文章が続きます。

目次

本書は以下の六章から成っています。

第一章 人生で一番楽しい時が、やってくる

熱中していた仕事が丸々なくなるという話です。

第二章 「スローライフ」という新しい考え方を持つ

仕事の慌ただしさが丸々なくなるという話です。

第三章 金はあってもなくても、最期は同じ

収入が丸々なくなるという話。

第四章 「六十歳」――年を取っても強い生き方

夫婦、両親、子や孫、旧友との付き合い方についての話です。

第五章 「六十歳」の魅力を周りに見せる

老人らしいカッコよさと立ち振舞いを身に付けようという話です。

第六章 自分にとっての「最高の贅沢」を見つける

いいものに触れよう、色んなものに触れようという話です。

本書が想定する生活スタイルについて

まず表題にもあるとおり、60歳に至ろうという老人を対象にしています。

生活スタイルとしては典型的なサラリーマン、派手めの生活、そこそこの高収入(少なくとも平社員ではない)などが想定 されています。直接言及されているわけではありませんが、いくつか引用してみましょう。

  • 『若い時は飲みたい放題、食べたい放題であった』
  • 『私も四十五歳で結婚するまでは派手に遊び、宵越しの金を持たないという形容にふさわしい生活をしていた』

若い時は貯金や健康を気にせず遊びまくっているような人、という想定ですね。

  • 『これまで真面目に生きてきていれば、年金という収入にいくらかの蓄えなどの資産があるはずである』

しかしながら年金や資産は当たり前に持っています。

また、裏表紙には以下の文句が書かれています。

  • 『さあ、「自分のための人生」を始めよう!』

まとめると、純粋に自分自信が楽しむことを知らない人(仕事や家庭などを重視してきた人)で、人付き合いやストレス解消のために散財をして、少なくとも平社員以上には稼いでいる人が対象となっているように見受けられます。

内容まとめについて

本書の内容まとめとして、アラサーソロ男の僕から見て「これを知ってたら老後に役立ちそうだ」と思ったことを TIPS としてまとめていきます。

無趣味を楽しむ

人に語れるほど大層なものや、語っても通じるものだけが趣味ではない。

自分が過程を楽しめるならそれで良いじゃないか、という話です。ただの散歩でも、週刊誌の拾い読みでも良い。そういう「過程を楽しめること」を蓄積することでも楽しいのだそう。

老いを認める

本書のスタンスとして「老人らしさの追求」があります。老人は老人らしく、余裕を持ってどっしりと構えたい、ということです。これは 老いを認める と言い換えることもできます。

具体例をいくつか挙げます。

  • みっともなく若作りをしない。隠しきれるものではないし、惨めなだけ。皆も口に出さないだけでそう思っている。
  • 身体が衰えてるので、若い時みたいに無茶すると死ぬ。
  • エゴで行動するのは醜い。ボランティア精神を。後進への配慮を。

もう老いているのだから、いつまでも若い時のようにギラギラするのではなく、残り少ない余生を穏やかに生きることを考え、適応していった方が結果的に生きやすい、ということです。

知的好奇心を満たし続ける

本書では読書、人との出会い、旅行などで知的好奇心を育み、知識や見識を深めることが大事だと述べています。これを怠る老人は視野が狭いままで、生きづらいし醜いものです。

僕も思い当たりがあります。僕の観察範囲でも、何も勉強しないままの高齢者たちが多数いらっしゃって、彼らは人生や社会はこんなものだよと勝手に悟って納得、いや我慢しています。ああはなりたくないですね。

知識や見識を深めていけば、人生の選択肢は確実に増えます。僕はまだアラサーですが、人生で何回かブレイクスルーしています。タスク管理も、ソロ充も、ストレスフリーも、勉強や行動を続けていたからこそ辿り着けたものです。

今後も引き続き満たし続けていこう、と改めて思いました。

医療費はケチらない

若い時とは違って、身体に故障や不具合が生じ始めており、放っておくと取り返しがつかなくなります。冗談抜きで死に繋がります。

なので早いうちに、お金がかかってでも医療はちゃんとしておきます。健康診断は毎年受ける、要精密検査がちゃんと精密検査する。もしお金のかかる病気があったとしたら、懐との相談になりますが、若さの治癒力は期待できないので、お金をかけます。そうしない限り、治りません。ケチらない方が無難でしょう。

僕もまだアラサーではありますが、老いの暴力を少しは感じ取っています。この負担が何倍にもなるのだと思うと、そりゃ危ないよなぁとは身震いします。なので、僕は規則正しい生活を心がけ、ストレスフリーも徹底することで、今から対策しています。僕はお金に余裕がないので、健康というカードで勝負するしかありません。この重要性を再認識できました。

交際費もケチらない

働いている時は会社の仲間やネームバリューがあり、つながりも多々ありましたが、定年退職すると、これが無くなります。交流を行いたいなら、旅行やパーティーといったイベントや集いがメインになります。高額でも参加しましょう、という話です。

この話は、僕はいまいちわかりませんでした。

そもそも、なぜ交際が重要なのでしょうか。僕はソロ充という形で、ひとりで充実させる手段を整えています。というより、人付き合いでストレスが溜まってイヤだからソロになっています。老人になっても、それは同じだと思っています。というより、会社という縛りがなくなった分、ソロで居やすいのだからハッピーじゃないか──と思うのですが、まだ青いですかね?

(余談) 最近孤独を扱う本を色々と読んでいるのですが、皆、口を揃えて言います。「人とつながることは大事」「少数でいいから深く繋がれ」「広く浅く色んなコミュニティと繋がれ」と。これは結局のところ、人間にそういう欲望があって、満たさないと精神的に狂うからだと思います。僕も経験がありますね。だから、僕はソロ充を目指してはいるものの、人と関わる機会自体はゼロではなく、ある程度は意図的につくるようにしています(といっても友達はおらず、同じ趣味を同じ場で楽しむ顔見知り、という程度です)。運動不足にならないようウォーキングを取り入れるみたいなものでしょうか。

おしゃれもケチらない

前述のとおり、老後は人間関係は全部プライベートになるので、おしゃれしないと相手にされづらく孤立しやすいです。 誰であろうと、どんな場であろうと、おしゃれしてれば胸を張って堂々としていられるし、自分に自信もついてくるしで、メリットづくしなので、おしゃれはぜひやるべきだ。

本書はそのような主張をしていますが、この点も僕はいまいちピンと来ませんでした。清潔にしているだけではダメなのだろうか。

真情は文章で吐露する

思っていることはアウトプットしないと気分が悪いものですが、これを口で、人に対して行うと嫌われる・疎ましがられる原因となります。かといって我慢して抱え込むのもよくない。

著者は「文章で書く」ことを勧めます。その際、読んでいる人がいることは想定しません。自分の言葉で、正直に書き殴ります。また、書くことに気分を乗せるために、上質なノートを使うなど、自分が快適に感じる手段を整えるのが良いそうです。

この点は完全に同意です。僕はデジタルで、タイピングですが、文章で吐いても十分スッキリできます。

足腰が動くうちは借家住まい

筆者は p166 にて、以下のように述べています。

住宅などという大きな買い物をしたために身動きができなくなるのを恐れているのである。そのために、詳細な人生の設計図を作成しないで、単なる「方針」に留めている結果となっている。

僕も今は借家暮らしで、持ち家を持つ気はないのですが、老後が不安ではありました。持ち家を推す不動産業者の策略に見事に溺れている一人です。しかし、著者は借家暮らしと来た。奥さんがいて、子どももいるのに、です。なんだ、別に借家でもいけるんじゃないか。

さすがに具体的なノウハウや心がけまでは言及がありませんでしたが、少しだけ不安がなくなりました。僕も身動きできなくなる弱点は抱えたくないので、借家を続けたいですね。

感想

本書の感想を Good or Bad で雑多に書きます。

(Good) 老いは思っている以上にキツそうだとわかった

老いという世界が不便で、不自由で、苦しいことは想像していましたが、やはりそうなのだと本書を読んで改めて痛感しました。備えておこうという気が引き締まります。

(Good) 硬派な文体

僕はどちらかといえばベストセラーなビシネス書ばかり読みます。平易で、高校生でも読めそうな本です。

しかし本書は、小説みたいに文字がびっしりと書いてあります。文体も渋くてカッコイイ。そもそもタイトルからして「楽しみ」ではなく「愉しみ」ですからね。ここだけ見ても、渋さを想像できるというものです。

もっとも、このような本や文章などいくらでもあるのでしょうが、普段読まない僕にとっては新鮮でしたね。

(Good) 平均的な老人の価値観がわかる

僕は若くして定時退社だのソロ充だのを掲げ、変わり者とみられることが多い人間ですが、本書はそんな読者は想定していません。想定している(と考えられる)のは、記事上部でもまとめましたが、

生活スタイルとしては典型的なサラリーマン、派手めの生活、そこそこの高収入(少なくとも平社員ではない)

このような人です。言うなれば 2019 年現在で 60 歳あたりにいるであろう人達です。

そんな人間が、60 歳からどう生きるか。どんな問題があって、どうクリアしていくのか、あるいは割り切るのか――これが本書が述べていることです。僕としては「ほー、こういう人達はこういう思考回路や価値観を持っているのか」と、ある種の発見をしながら読むことができました。読み物として楽しかったです。

(Bad) ソロ男な 60 歳に向けたヒントがない

僕が一番期待していたのは「60 歳のソロ男」でも無難に生きられるような考え方やテクニックですが、そこまでは言及がありませんでした(し、そもそもそういう人間を本書は想定していない)。

著者自身も結婚して奥さんがいますし、子どももいます。ソロ男とは異なる人種です。一応、結婚は比較的遅く、45 歳くらいのようでしたので、それまでの独身時代から、なぜ結婚に至ったのかという話も期待していたのですが、ありませんでした。残念。

(Bad) 新しい趣味の候補を教えてくれない

趣味の充実は人生の充実、と僕は考えています。

本書が 60 歳から始められる趣味を色々教えてくれるものと期待していましたが、言及はほぼゼロです。いや、一応娯楽という側面で、ちらほら話題としては挙がっているのですが、僕が欲しいのはそういう一般論ではなく、

  • ~~な理由でサイクリングがおすすめ
  • 社交ダンスをすると~~のメリットがある。初期費用は~~で、場所は~~で……

このような具体的な情報でした。残念。

おわりに

僕はまだ 60 歳の半分くらいですが、(死ななければ)老いは必ず訪れます。僕も死ぬつもりはありません。今のうちに、少しずつでも備えておくことは大事です。だからといって今をおろそかにするのは本末転倒ですが、備えを知識として知っておくだけでも違うはずです。それに、本末転倒だからといって怠惰を正当化することもおかしな話。おろそかにしない程度に、少しずつ備えたいです。

そのための一インプットとして、本書は役立ってくれたと思います。