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個人タスク管理の到達点を表す 4 つのモデル

先日 タスク管理には Project, Partner, Personal の三種類がある とした上で、個人の日常生活で取り入れるのはもっぱら Personal(個人タスク管理) だと書きました。

この個人タスク管理のやり方は人それぞれですが、極めるとどのようなシステムになるかという「到達点」はおおよそ共通しています。

今回はこの到達点を 4 種類に分け、4 つのモデルと称してまとめてみました。

秘書モデル

秘書モデルでは、システムはまるで秘書のように振る舞います。

あなたがシステムに「私は次何をすればいいんだい?」と尋ねると、システムはあなたに「次はこれをすればいいですよ」とヒントをくれます。

もっとも実際は人工知能でもあるまいし、そんなに万能ではなくて、せいぜい「現状はこんな感じになってますよ(あとはあなたで判断してください)」という程度です。

しかし、それでも、システムに尋ねさえすれば次の行動がわかるという安心感と安定感は素晴らしいものです。

実現例

秘書モデルの実現例は GTD です。

GTD は平たく言えば、

  • あなたの「気になること」リスト
  • あなたの価値観リスト
  • あなたが今注意を向けるべきことリスト
  • あなたが抱えてるプロジェクトリスト
  • あなたが保留している「連絡待ち」リスト
  • ……

このように多数の「特定の役割を持つリスト」を用意しておき、専用のワークフローにしたがって日々回していく……という手法です。

ロボットモデル

ロボットモデルでは、あなたはリストという命令に従うだけのロボットと化します。

ロボットモデルにおけるシステムとはタスクリストなのですが、このリストには病的と言えるほどの密度でタスクが記されています。たとえば朝起きて歯を磨く、用を足す、朝食をつくる、~~のウェブサイトを見る、食器を洗う、着替える、(2日に1回)洗濯機を予約する、(月木のみ)ゴミ捨てを行う……このレベルです。一日行うべきタスク数は平気で数十を超え、100 を超えることもあります。

ロボットモデルは、言うなれば徹底的な最適化です。毎日毎日タスクリストに従って行動し、いつ何をしたかをすべて記録し、振り返って見直して、タスクリストを修正して……というサイクルを繰り返すことで、少しずつリストの精度を高めていきます。結果として、あなたはリストを上から順番に実行していくだけで生活が効率的に回ります。もちろんやり忘れもありません。

実現例

ロボットモデルの実現例は TaskChute ファミリーです。

元祖は TaskChute2 という Excel ツールですが、たすくま(iPhoneアプリ)や TaskChute Cloud(Webアプリ) などもあります。

いずれにせよ TaskChute というコンセプトを踏襲しています。これはタスクをリスト上に並べ、上から順番に消化することをストイックに意識させるものです。加えて、タスクの終了という操作も煩雑で、単にチェックを入れるだけでなく、開始時と終了時それぞれに時刻を入れる必要があります。

使いこなすまでが難しいですが、結果として「いつ、何をやったか」がすべて記録されるというライフログのような状態を実現できます。

TaskChute は、ロボットモデルという到達点をもたらしたパラダイムシフトなのです。

作業者モデル

作業者モデルでは、システム≒チェックリストです。

あなたは特定の作業をこなすためのチェックリストを豊富に取り揃えています。旅行や引っ越しはもちろん、出社前にやること、料理のレシピ、ブログの運用フロー、各種トリガーリストなど、とにかく揃えています。また、オズボーンのチェックリストなど、よく知られたリストも手元に持っておいて、すぐに参照できるようにしてあります。

実現例

作業者モデルの実現を一般化した例は聞いたことがありません。

実は作業者モデルは、筆者が「存在すると思う」と仮説したモデルにすぎません。

この先、誰かが一般化する未来は訪れるのでしょうか。たとえば「人生を強力にアシストしてくれる 100 のリスト」のようなフレームワークが出てきたら面白そうですね。

特攻兵モデル

特攻兵モデルでは、タスクに関するミニマリズムを行います。

「あなたが行うべきことはこの n 個だけだ」というふうに、本当に重要なことだけを決め、それだけに集中させる――これが特攻兵モデルです。他にもやることはたくさんあるはずですが、そんなことはどうでもいいのです。本当に重要なことだけをやり、それ以外は切り捨てるのです。

実現例

特攻兵モデルの実現例は Ivy Lee method(アイビー・リー・メソッド) です。

これは前日に「明日やること」を「6 個」「やる順番も考えて」洗い出し、翌日はただただそのとおりに行動する――というシンプルなタスク管理です。

初見では「たかがそんなことで」と思いがちですが、Ivy Lee method により私達は本当に大切なタスクにのみ集中せざるをえなくなります。これはしばしば選択と集中を実現し、高い生産性を生み出します。

おわりに

個人タスク管理の到達点を 4 つに分けて紹介してみました。

実際はどれか一つのみということはなく、4 つの構成比になっているかと思います。己の個人タスク管理を振り返るヒントになれば幸いです。

p.s. ちなみに私の構成比は「秘書:ロボット:作業者:特攻兵 = 3:5:1:1」といったところでしょうか。基本的にロボットとして動いていて、必要に応じて秘書に頼ります。たまに秘書がチェックリストを出してきたり、「余裕無いからいいからこれだけやれ」と急かしてきたりします。